結論から言ってしまいますと、
流行・トレンド分析、売れ筋商品を<詳しく>把握するのは困難です。
なぜなら、フィールド(街頭・店頭)調査を継続的に行ったり、
「POS (ポス)」
(簡単に言えば、
自分のお店で、どの商品が、どれだけ売れたかを分析するシステム。)を導入し、
自社の売上商品や売上数量を分析したり、
取引先(デザイン提案会社や繊維商社など)から、
どのような素材・デザインの注文が多いかヒアリングしたり、
高額な費用を払い、情報提供会社を利用する必要があるためです。
例)
小島ファッションマーケティング
メイネットワーク
プレール
ココベイ
ただ、業界外の方の場合、
半年後、どのようなファッション・服が流行しそうかより、
今現在(今シーズン)、
どのようなファッション・服が流行しそうか、しているかが
知りたい場合が多いと思いますので、
無料か格安で入手可能な情報と、
少しの努力で、一定の眼力が習得できるポイントをお伝えします。
まず、入手可能な情報は4つあります。
(1)ファッションカタログ通販冊子
「ニッセン」「千趣会」「ベルーナ」など。
カタログ通販冊子の場合、
ファッション雑誌と異なり、広告で利益を得る訳ではなく、
売るため・売れそうな商品が紹介されています。
売れなければ、在庫が残り、利益が出ませんし、
紙媒体版のカタログは無料配布が多いため、カタログ発行費も回収できません。
カタログ通販冊子(の紹介商品)は、
昨年の同シーズンの売れ筋内容の進化予測、
海外コレクションの分析などが反映されています。
無料で、閲覧・入手可能なため、利用しない手はありません。
ただ、カタログ通販の場合、
半年以上前に商品企画がスタートするため、
企画終了後に発生したトレンドは反映されていません。
その点は注意する必要があります。代表的なカタログ通販冊子を紹介します。
(ミセス系のカタログ雑誌は除く。)
NISSEN (ニッセン)
http://www.nissen.co.jp/digitalcatalog/index.htm
FELLISIMO (フェリシモ)
http://www.felissimo.co.jp/guide/i_catalog/
RyuRyu (リュリュ)
http://belluna.jp/02/010101/dc/
IMAGE (イマージュ)
http://www.st-image.com/digital_catalog/
(2)WWD
ファッション業界の専門週刊紙ですが、
初心者の人も、比較的、理解しやすい内容です。
バックナンバーが発売されていますので、
http://www.wwdjapan.com/publication/fashion_news/backnumber.html
(3)ファッション販売1月号
毎年、1月号にMDカレンダーが掲載されます。
どの時期に、どんな商品を販売しなければならないかが、説明されています。
(4)ファッション雑誌
初心者・業界外の方は、
大概、ファッション雑誌から入手しようとしますが、注意点があります。
ファッション雑誌の場合、掲載商品を売る義務はありません。
読者購読収入より、広告収入が生命線のため、広告主の意向が重視されます。
広告掲載を希望する会社が、広告料を支払えば、
(まだ)売れていない商品、知名度が低いブランド商品でも掲載されます。
売ることだけを考えて作られたカタログ通販冊子とは全く異なります。
カタログ冊子が優れているという意味ではなく、発行意図が異なります。
また、数冊程度のファッション雑誌を読むだけでは、
流行・トレンド、売れ筋商品の把握は不十分ですが、
重複しているテーマ・商品は、注目点になります。
「ウェブマガジン」を利用すれば、
月数百円で、相当数のファッション雑誌が読めます。
d-マガジン
https://magazine.dmkt-sp.jp/list/21_140006
次は、フィールド(街頭・店頭)調査です。
街頭調査は簡単です。
有力な商業施設(ファッションビルや百貨店など)の入り口で、
小1時間ほど、誰かと待ち合わせをしている風で立つなり、
そのような商業施設のある近くのカフェのテラス席などで、
行き交う女性の服装を眺めていれば、情報が掴めます。アンケート調査、スカウト、ナンパと違い、声を掛ける必要もなく、
難しくも恥ずかしくもありません。
店頭調査は、最低限のポイントがあります。
最初に注目しなければならない場所は、
店頭のマネキン(トルソー)に着せている商品です。
マネキンは一番目に付く場所のため、
売れている商品を見せることで、売上を上げる効果があります。
ファッション商品は売れる期間が短いため、
売れる間に売る必要があります。
売りたい商品・買ってもらいたい商品を着せる場合もありますが、
大勢のお客様が目にする場所に、
一定期間、商品を見せていたにも関わらず、売れなかった場合、
別な商品を見せ、売上につなげようとするためです。
多くの売り場を回ると「共通点」が見つけられるようになります。
柄、カラー、デザイン仕様など。
(衿の形、袖の仕様、スカートの形、毛皮の有無など)
複数のブランドショップで売れている場合もあれば、
あるブランドが、他のブランドの売れ筋商品を模倣し、
露出している場合もありますが、
どちらの場合にせよ、売れている・売れる可能性が高い証になります。
他のブランドの売れ筋商品を気にしないブランドもありますが、
大概、競合の売れ筋調査を行っていることが多いため、
共通点が見られる場合、その要素に注目です。
2番目に注目しなければならない場所は、商品棚の一番上の商品です。
コンビニエンスストアでも、
衝動買いを促す商品は、一番上の棚、目に付きやすい場所に置き、
目的買いの商品は、お客様側で探して購入してくれるため、
一番下の棚、目に付きにくい場所などに置かれていますが、
ファッション商品の場合、
冠婚葬祭に必要なドレスなどを除けば、目的買いが少ないため、
目に付きやすい場所に置く必要があります。
一瞬・一回だけの店頭調査では、
売れ筋商品を見抜くことは困難ですが、
一定期間(数週間~数ヶ月)、売り場を見続ければ、
ある程度、見抜けるようになります。
一等地に置かれていた商品が目立たない場所に引っ込められていたり、
ある色・あるサイズが欠けていたり(=売れている)
欠けたと思ったら、在庫が集まっている
(=追加生産や、他店舗からの在庫異動など。)
ことなどに気が付くようになります。
上記の各情報源の活用と、街頭・店頭調査を行えば、
業界外・初心者でも、
大体の流行・トレンド、売れ筋商品は把握できます。
以上です。
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